トランス脂肪酸とは?なぜ体によくないの?

Hi-gh ☆ チルルです。
サクサクのクッキー、しっとりリッチなケーキ、衣サクサクの揚げ物。

みなさん好きですか~??
私は大好きです ♡

でも、好きに任せて食べてたら危ないよ、という話です。

市販の焼き菓子、パン、ドーナツ、スナック菓子、揚げ物などの多くは、高脂肪&高カロリーなだけでなく、トランス脂肪酸がたくさん含まれているからです。

トランス脂肪酸は健康リスクが認められていて、先進国の多くでは使用規制、表示義務など、何かしらの規制がされています。

ところが日本では野放し状態!

知らぬまに健康を害することにもなりかねません。トランス脂肪酸について、詳しく見ていきましょう。

トランス脂肪酸とは?

トランス脂肪脂肪酸とは不飽和脂肪酸の一種で、天然のものと、油脂を加工・精製する工程で生じる人工のものがあります。

天然のトランス脂肪酸は、牛などの反芻(はんすう)動物の胃の中でバクテリアの働きによって合成され、肉や乳とその加工品に含まれています。

一方、人工のトランス脂肪酸は、常温で液体の植物油や魚油を固体または半固体に加工するための水素添加や、植物油や魚油を精製する過程で行われる高温処理により生成されます。

このように工業的に加工した油は硬化油と呼ばれ、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドとしてお菓子や加工食品に使用されています

硬化油は、酸化しにくく、サクサク感やしっとり感を出すことができ、そして安価なので広く使用されています。

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トランス脂肪酸の体への影響

トランス脂肪酸が含まれていることがたくさん多い市販の揚げ物

心疾患のリスクが高まる
トランス脂肪酸には、LDL(悪玉)コレステロールを有意に増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させる働きがあることが認められています。そのため、過剰摂取を続けると、心疾患のリスクが高くなるとされています。

炎症・アレルギー症状の原因
喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、炎症・アレルギー症状を悪化させると考えられています。

2型糖尿病のリスクを高める
すい臓から分泌されたインスリンの効きが悪くなり、2型糖尿病のリスクを高める可能性が示唆されています。

海外の規制状況

まずは世界の状況から。先進国の多くは何かしらの規制が課せられています。以下、農林水産省のホームページに掲載されている代表例をあげますね。

部分水素添加油脂を規制
アメリカ
カナダ
台湾
タイ
*水素添加(硬化処理)を行い製造された「水素添加油脂」のうち、トランス脂肪酸が多く含まれている「部分水素添加油脂」が規制されています。

食品中のトランス脂肪酸濃度の表示義務
韓国
中国
香港

食品中のトランス脂肪酸濃度の上限値を設定
EU(デンマーク・オーストリア・イギリス・フランス)
スイス
シンガポール

参照
トランス脂肪酸に関する各国・地域の規制状況 | 農林水産省

以前は、アメリカやカナダの食品パッケージを見るとNo Trans Fat と書いてあったのが、いつの間にか表示を見なくなりました。表示義務から規制にアップグレードしたからなんですね!


No Trans Fat とあれにもこれにも書いてあったので、それまでいかに多くの食品にトランス脂肪酸が含まれていたか、どんなものに含まれていたかを知る勉強になり、日本で焼き菓子やスナック菓子を買うときの参考になりました。

日本では規制されてるの?

では、日本では?

残念ながら、というか、恐ろしながら、、規制されていません。。

国は、日本人の平均的なトランス脂肪酸摂取量は、WHOの勧告基準である「総摂取エネルギー比1%未満」と推定し、健康への影響は小さいと結論。できるだけ少なくすることが望ましいとしながらも、何の規制も課していないのです。(参照

ところが、2010年の調査では、日本人の1日のトランス脂肪酸摂取量は、平均1.47g(総エネルギー摂取量の0.8%)で、女性の24.4%、男性の5.7%がWHOが勧告する最大量である1%を越えていたと報告されています。(参照
*基準値はあくまでも最大量で、ないに越したことはない

過剰摂取はかんたん

トランス脂肪酸を1日のエネルギー摂取量の1%未満に抑えようと思ったら、1日何グラム未満にするべきでしょうか?

1日の総エネルギー摂取量が1700kclの人の場合、ざっくり計算すると、

1700kclの1% = 17kcl
脂質1g = 9kcl なので、1.89g という結果に。


これくらいあっという間に到達してしまいそう・・。

次に、トランス脂肪酸を多く含む食品を見てみましょう。

〈トランス脂肪酸を多く含む食品〉

食品名トランス脂肪酸
ショートニング13.6g
マーガリン・ファットスプレッド7.0g
パイ4.8g
クッキー1.9g
ケーキ1.8g
コーン系スナック菓子1.7g
食用調合油1.4g
マヨネーズ1.2g
【参照】食品安全委員会ホームページ

んー。マーガリンを毎日10gパンに塗るとしたら、それだけで0.7g。加えてショートニングたっぷりのケーキやクッキーを食べたら、アウト!!あと、マヨラーも要注意ですね。

パンやケーキ、クッキー、みなさん普通に毎日食べてますよね、、。市販のパンのほとんどにマーガリンやショートニングが使われています。トランス脂肪酸が含まれていない良質のケーキやクッキーを探し出して選ばなければ、かなりの量になってしまいます。

でも、情報がなければ食生活を改善しようとする意識も働きません。

私にも若きイノセントな時代がありました。当時は、

朝:パンにマーガリン
昼:菓子パン・ドーナツ
おやつ:ケーキ
夜:スーパーの揚げ物


なんてこと珍しくはありませんでした。恐しや。

給食にも毎日マーガリン出てたし。踏まれて上靴の跡がついたのを掃除するのが子ども心にイヤだった。それでマーガリン嫌いになったのかも?

失礼、話がそれました。

トランス脂肪酸がどれだけ広く使用されているかは、スーパーで商品を手にとって、パッケージの裏を見てみてください。クッキー、ケーキ、パンなどはマーガリン、ショートニング、ファットスプレッドのいずれかが使われているものがほとんどだと思います。

どうやって避けたらいい?

パッケージを読んで判断
日本はトランス脂肪酸の表示義務がないので、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドが使われているものを極力避けます。


素材にこだわったパン屋・ケーキ屋さんを見つける
良質な素材にこだわったお店は味もおいしい。ぜひお気に入りのお店を見つけてください。


パンに塗るものをオイルやナッツバターなどに変える
美味しいオイルとナッツバターがあればバリエーションができて食卓がとっても豊かに。
*ナッツバターは植物油などが足されていないものを選びましょう。

チルルのお気に入りは、オリーブオイル、フラックスシードオイル、アボガドオイル、ココナッツオイル、ヘンプシードオイル、ピーナッツバター、アーモンドバターなど。それぞれ個性があり、シンプルなパンと相性抜群。

市販の揚げ物をなるべく避ける
サクッとさせるためにショートニングを使用している可能性大。
揚げ物は家で作るか、油にこだわった揚げ物屋さんを選びましょう。

まとめ

先進国の多くで規制されているトランス脂肪酸。日本では規制されていないないなら(2021年2月)、自分の身は自分で守るしかありません。どれくらい摂ってるか、自分の食生活を見つめて、意識して避けること。

自主的に減らす取り組みをしているメーカーもあります。トランス脂肪酸なんていらないぜ!とメーカーに意思表示をしてみませんか?

【関連記事】

参照
あなたのLDLコレステロールが高いのはトランス脂肪酸のせいかも? | 日本薬学会
What Are Trans Fats, and Are They Bad for You? | Healthline
What is Trans Fat? | News Medical
REPLACE TRANS FAT | WHO
トランス脂肪酸に関するQ&A | 厚生労働省
トランス脂肪酸に関する情報・農林水産省の取組 | 農林水産省

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