反栄養素(アンチニュートリエント)ってなに?減らす方法もご紹介

Hi-gh ☆ チルルです。
毎日葉っぱを大量に食べずにいられないため、別名「アオムシ」と呼ばれています、、、、

毎日大量の葉野菜を食べる理由は、食べないとすぐに胃腸が動かなくなってしまうからなのですが、健康によいはずの野菜や全粒穀物などによからぬ物質、反栄養素(アンチニュートリエント)が含まれているというので、その詳細と対策を調べてみました。

反栄養素(アンチニュートリエント)とは?

主な反栄養素は植物性の食物に存在し、植物においてはバクテリアや害虫から身を守るためのメカニズム。ところが、人間の体は反栄養素を分解することがでないため、穀類、ビタミン・ミネラルなど体に必要な栄養素の吸収を妨げるだけでなく、栄養吸収になくてはならない消化酵素の働きを阻害する場合もあるのです。

以下に主な反栄養素と多く含まれる食物、懸念される作用について挙げます。

フィチン酸

〈全粒穀物、豆類、ナッツ、シード〉
鉄、亜鉛、マグネシウム、カルシウムの吸収を阻害。ペプシン、トリプシン、アミラーゼなどの消化酵素の働きも妨げます。

シュウ酸 

〈緑色葉野菜、ナッツ、豆類、全粒穀物、お茶、コーヒー、ココア、たけのこ〉
カルシウムと結合して吸収を阻害。結石のリスクファクター。

グルテン

〈小麦、ライ麦、大麦〉
最も消化しにくい植物性たんぱく質。酵素を阻害する作用があり、胃腸障害、リーキーガット、自己免疫疾患、アレルギー反応などの原因に。

レクチン

ブラックアイドピーズ

〈豆類、全粒穀物、ジャガイモ、ピーナッツ〉
カルシウム、鉄、リン、亜鉛の吸収を阻害。ニキビ、偏頭痛、関節痛、リーキーガットの原因に。

タンニン

コーヒー豆

〈お茶、コーヒー、豆類〉
抗酸化作用のあるポリフェノールの一種ですが、鉄の吸収を阻害。貧血の人は食後のお茶やコーヒーは控えたほうがよさそう。

グルコシノレート

キャベツ

〈ブロッコリー、キャベツ、カリフラワーなどアブラナ科の野菜〉
ヨウ素の吸収を妨げ、甲状腺機能を阻害するおそれがあります。甲状腺機能低下症の人は影響を受けやすいとのこと。海藻をたっぷり食べてヨウ素を補いましょう。

*甲状腺疾患のある方は、ヨウ素の摂取について医師の指示に従ってください。

では、反栄養素を多く含む食べものは避けたほうがいいのでしょうか??

ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を含むものが多いため、むしろ積極的に食べたほうがよいとのことです。

そこで知っておきたいのが、反栄養素の減らし方!

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反栄養素の減らし方

浸水

〈フィチン酸・レクチン・タンニン・シュウ酸〉
玄米などの全粒穀類や豆類は一晩から12時間ほど浸水させます。反栄養素の多くは水溶性であるため水に浸けることによって減らせます。浸水させた水は捨て、新しい水に替えて炊きます。

浸水は全粒穀物・豆類に含まれるフィチン酸・レクチン・タンニンを減らすのに有効なだけでなく、葉物野菜に含まれる水溶性のシュウ酸も減らせるとのことです。

発芽

〈フィチン酸・レクチン〉
浸水によって減らした反栄養素を発芽によりさらに除去!
全粒穀物や豆類は、種類によって37-81%のフィチン酸が減らせるとのこと。また、わずかながらレクチンも減らせるとのことです。

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発酵

〈フィチン酸・レクチン・サポニン・グルテン・グルコシノレート〉
発酵によって有益なプロバイオティクスが作られるため消化・吸収しやすくなります。

フィチン酸、レクチン、サポニンが多く含まれる大豆。サポニンは加熱しても減りませんが、発酵により減らすことができます。そのため大豆は、みそ、しょうゆ、納豆、テンペのように発酵した形で食べるのが理想的。伝統的な発酵食品って、すごいですね。

発酵させて作る酵素玄米(発酵玄米)もおすすめです!

茹でる

〈シュウ酸・レクチン・タンニン〉
シュウ酸には水溶性のものと不溶性のものとありますが、ある試験で9種類の野菜を茹で、シュウ酸含有量を調べたところ、水溶性のシュウ酸は30-87%減少したそうです。不溶性のシュウ酸はの減少率は0-74%でしたが、腸から吸収されやすいのは水溶性のシュウ酸のため茹でこぼしによって水溶性シュウ酸を減らすことは効果的かもしれません。(参考

シュウ酸の多い食べ物はカルシウムを一緒に摂るのがオススメ。腸内でカルシウムと結びついて便として排出されるため、腸から吸収されにくくなるとのこと。

ところがシュウ酸の量が多いと余った分は尿の中に出て、尿中でシュウ酸がカルシウムと結合して結石のリスクに。

結石って、激イタだそうですね・・。茹でこぼし&カルシウム摂取で予防しましょ!

ベストはコンビネーション

浸水してから発芽、発酵、茹でるなど、メソッドを組み合わせると除去量が増えます。

発芽させる際は浸水をしっかり一晩〜12時間ほどさせるとよいでしょう。

反栄養素はまったく摂らない方がいいの?

答えはノー。先に述べたとおり、反栄養素を多く含む食べものに体に有用な栄養素が多く含まれるだけでなく、反栄養素そのものにも実はメリットもあるんです。

例えばフィチン酸には

・コレステロールを減らす
・消化をスローダウンさせることにより血糖値の急激な上昇を防ぐ

といった働きがあります。

また、反栄養素の多くには

・抗酸化作用
・抗がん作用

などの有益な作用もあるため、完全に避けることはおすすめされていません。つまり、摂りすぎないようにすることが大切なようです。

反栄養素によって受ける影響は代謝能力などにより個人差があるとのこと。健康な人であればそこまで神経質にならなくてもよいようですが、たっぷり栄養をとっているはずなのにビタミン・ミネラル不足を感じていたり、消化不良がある場合は調理方法に気をつけてみるといいかもしれません。


参照
Are anti-nutrients harmful? | Harvard T.H. Chan School of Public Health
How to Reduce Antinutrients in Foods | healthline
10 Antinutrients to Get Out of Your Diet … and Life | Dr. Axe
Antinutrients in Plant-based Foods: A Review | BENTHAM Open
Is There Such a Thing as “Anti-Nutrients”? A Narrative Review of Perceived Problematic Plant Compounds | MDPI
結石はどうしてできるの? | オムロン ヘルスケア



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